北海道内外の受験生が札幌で浪人するメリットとは 第5回【全8回】

第5回 札幌は誘惑の街なのか──「札幌全体」と「札幌駅周辺」と「麻生」を分けて考える

地方から札幌へ浪人する際、失敗理由としてよく語られる言葉があります。

札幌は誘惑が多かった
街が大きすぎた
勉強に集中できなかった

一見すると、もっともらしく聞こえます。
しかし、ここには大きな混同があります。

それは、

「札幌という都市」
「札幌駅周辺という生活圏」
「実際に勉強する場所」

が、一緒くたに語られているという点です。

札幌という都市そのものが問題なのか

まず明確にしておくべきことがあります。

札幌という都市そのものが、浪人生を失敗させるわけではありません。

同じ札幌市内でも、安定して成績を伸ばす浪人生は毎年確実に存在します。

同じ地下鉄を使い、
同じ冬を過ごし、
同じ都市にいながら、結果は大きく分かれます。

つまり、問題は「札幌かどうか」ではないということです。

本当の分岐点は「札幌駅周辺という生活圏」

次に見るべきは、どこで生活し、どこを毎日通過しているかです。

札幌市内の予備校の多くは、札幌駅周辺に集中しています。

札幌駅周辺は、

  • 商業施設
  • 飲食店
  • 人の流れ
  • 情報刺激

が極めて多いエリアです。

このエリアを毎日の通学動線として使うことは、浪人生にとって常に「選択」を迫られる生活になります。

誘惑に弱いのではなく、誘惑に晒され続ける構造

ここで誤解してはいけないのは、失敗する浪人生が「意思が弱い」わけではない、という点です。

浪人生は、

  • 疲れている日
  • 成績が振るわない日
  • 不安が強い日

にまで、毎日必ず判断を迫られます。

「今日は寄らない」
「今日は大丈夫」

こうした小さな判断を、10か月間、毎日続けることは現実的ではありません。

問題は誘惑そのものではなく、誘惑から逃げられない生活設計にあります。

同じ札幌でも「麻生」は性質がまったく違う

ここで重要になるのが、麻生というエリアの特性です。

麻生は、

  • 地下鉄南北線の起点
  • 繁華街を通過しない動線
  • 学生向けの落ち着いた生活圏

という特徴を持っています。

言い換えれば、勉強以外の刺激が極めて少ないエリアです。

麻生という立地が浪人に向いている理由

麻生周辺で浪人生活を送る生徒は、

  • 登校と帰宅の動線が単純
  • 寄り道の選択肢が少ない
  • 1日の行動がほぼ固定される

という環境に自然と置かれます。

これは、「誘惑に勝てる生徒を育てる」環境ではありません。

誘惑を考えなくて済む生活を作る環境です。

浪人生活において、これは非常に大きな差になります。

「札幌で失敗した」は、正確ではない

ここまで整理すると、よくある言葉の多くが、実は正確ではないことが分かります。

× 札幌で浪人して失敗した
○ 生活動線と環境設計を誤った

× 札幌は誘惑が多い
○ 札幌駅周辺を毎日通過する生活が過酷だった

この違いを理解できるかどうかで、次の浪人生活の設計は大きく変わります。

浪人の成否は「都市」ではなく「動線」で決まる

浪人生の成否を分けるのは、都市の規模でも、情報量でもありません。

  • どこを毎日通るのか
  • どんな刺激に日常的に触れるのか
  • 勉強以外の選択肢がどれだけ目に入るのか

こうした生活動線の設計が、10か月後の結果を決めます。