― 子どもの成長を願って ― シリーズ第Ⅱ集➀ 「リアリティ」ということ
子どもの世界と大人の世界の日常一番違うところは?
子どもは毎日学校に通い学びと成長の渦中にあるが、大人は毎日が生活を支えるための仕事、父親も母親も内容は多少違っても家庭を守るための仕組みの中で日々を過ごしている。
子どもと大人(親)家庭の中でともすると、すれ違いやコミュニケーション不足の要因はこういった立場や日々の行動、生活の中での違いから生まれてくるのかもしれない。
子どもにはいまバーチャルな世界で遊べるゲームがある。そこでは登場人物(人間とは限らない)が多彩にしゃべり、未知の世界へ誘う、子どもは魅かれるままにアイフォン、アイパッド、パソコンの画面に映し出される映像とトークに入り込む、時のたつのも忘れて。
しかしこんな光景は現在だけのものではない。我々大人の時代にもあった。テレビが出始めてから家庭に普及し特に子どもはテレビ画面に夢中、いわゆる「テレビっ子」などと言われ、テレビを見る以外になにもしない状況に、観る時間を制限させられたりもした。そのあとにはファミコンに代表されるテレビゲーム時代、子どもは明けても暮れてもファミコンゲームに親しみ時を忘れた。
そして現在の、より身近になったゲーム、いずれも共通項は「バーチャルな世界」であるということ。つまり仮想空間だ。どんなに現実を交えたトークであっても子どもが見ているのは、小さな画面から繰り出された姿。どんなモンスターが登場しようと、激しい戦い場面でも、クリエイティブに創作していくようなゲームでも、はたまた美しい女の子の主人公が話しかけても、皆 「仮想」の世界、決して「リアリティ」(現実)ではない。
ゲームの中でバーチャルな世界に親しむ子どもたちにこそ、我々大人(親)は、現実の環境、実際の体験を共に(ここが大事)実践する機会を与えていきたい。例えば一緒にやるスポーツ、自然の中で過ごすキャンプ、散策などで実際に目に触れ手で触わる経験等。
自然はバーチャルな世界と違い、決してきらびやかでも刺激的でも騒々しくもないが、子どもがそれぞれの感性や思考で味わえる奥行きの深さがある。これらが成長に大きくつながっていくことは自明の理。
少なくとも早い段階から、日常の中で、自然から学べるリアルな世界を子どもたちと共に体感、体現する機会を持って欲しいと思う。
記:事務局 福島喜久