遠回りは面倒だが役に立つ ~英語リスニング編②-3 ボルネオ島の思い出~

イングリッシュ=アドベンチャーはその後、「追跡」を中級に設定して、初級に「ドリッピー」・上級に「ゲームの達人」を用意するのだが、各級のレベル差が大きくて、「追跡」が面白かったから次は「ゲームの達人」へとは簡単にいかないのだった。惜しむらくは「追跡」レベルの小説の朗読教材が幾つもあればもっとよかった。

ところで、シドニー=シェルダンには忘れられない思い出がある。

インドネシア大学に留学していた時のことだ。休暇を利用してカリマンタン(ボルネオ島)を旅行することにした。ジャカルタの空港で出発を待つ間、本屋をのぞいて飛行機の中での暇つぶしのための本を探した。すると、アメリカで発売されたばかりのシドニー=シェルダン著「明日があるなら」(”If Tomorrow Comes”)が平積みになっていた。「追跡」で気になっていた小説家だったので、さっそく購入した。英語なので日本語のように早くは読めないが、旅行中の暇つぶしにはちょうど良さそうだった。そうやって初めての本場のシェルダン小説を読むことになった。

ところが、その本は暇つぶしどころではなかった。その小説のせいで、カリマンタンでの大半の時間をつぶされてしまった。「カリマンタン旅行つぶし」の本となったのだ。飛行機の中でさっそく引きこまれ、ホテルに着いても先を読みたくて本を手放せない。深夜まで読み続け、次の日も起きるとすぐに本を開いた。結局、3日間はほとんど外にも出ないで読み続けてしまった。
続く・・・
記:英語科主任 佐々木晋