二次の対策は共通テスト対策の中に組み込むと効率がいい
国公立二次試験では、30字や60字といった短い言葉で説明する問題、100字、150字といったやや長めの文字数で説明する問題が普通です。共通テストや私立大学入試に多い選択肢型の設問ではそれなりに得点できたのに、この種類の問題になるといったい何を書いていいかわからず、何も書けなくなってしまうということがあります。
こういうときにしばしばあるのは次の二つのケースです。一つ目は、そもそも説明したり、要約したり、特徴をあげて比較したりする文を書いた経験が少ないために書き始めることができないケース、二つ目は書いた経験はあるけれども、自分の感じたことだったり、人から聞いた話だったり、述語一言でしか文を書けないケースです。この種の文は、言いたいことはあるけれど、主語がなかったり、因果関係が省略されていたりするために根拠と結論が不明な文になってしまいがちです。
さて、対策ですが、一つ目の場合に関しては、書く経験をつまなければなりません。授業のノートを紙のノートに書くこと、今日あった出来事を紙に書くこと、ともかくまとまった形で紙に書く練習が必要です。問題は、書くことに慣れていない人にはこういう練習はとにかく面倒で気がすすまないことです。
二つ目の場合には、前後関係を理解していない人や親しくない人に対してものを書いたり、説明したりする経験に乏しいことが原因なのでそういう人を相手に説明する練習が必要になります。幸運にして、そういう説明につきあって、ココがわからないといってくれる人がいればいいのですが、そうでなければ、自分がそういう人になったつもりで読み返すという訓練を自分ですることになります。
1970年代にはこの種類の練習には天声人語など、名文といわれる新聞のコラムの要約などをして練習することになっていましたが、今では新聞を購読する家庭も少なくなり、それ以上に新聞の文章のほうも名文とはいえなくなってきています。
また、こういう練習は共通テストがおわってから一ヶ月でといっても間にあわないので、春から練習しておくとよいのですが、英語や数学、地歴、公民、理科と国公立志望の人は忙しいため、それにかまけてなかなか実行ができないものです。
最も簡単で、効果があがるのは、共通テストと記述の学習を同時にしてしまうことです。つまり、共通テストの読解をするときに、頭の中だけで理解しようとせずに、各段落ごとにまとめをつくって紙に書く、形式段落のまとめができたら、内容に従ってグループ化する、全文の要旨をまとめて紙に書く、という作業を毎回行うと読解そのものの練習と記述、筆記の練習が同時にできることになります。
記:国語科主任 佐谷健児