子育て・受験にまつわるよもやま話―No.8「リーダーシップ」

 リーダーシップという言葉は言い換えれば「統率力」「皆を引っ張っていく力」などと解釈され、できたら我が子には「リーダーシップ」を持ってほしいと望む親御さんも多いのではないでしょうか。
この「リーダーシップ」に必要な要素、ネットなどで調べてみると、
①目標設定能力 ②学習能力 ③判断力 ④コミュニケーション能力 ⑤誠実性 ⑥責任を取る能力 ⑦モチベーション保持能力 ⑧寛容性
など、ピックアップして並べてみても、将来このような要素を持ち合わせた人間像になれれば、と思う内容が満載です。
 しかし実際には子どもそれぞれの個性があります。上記のような要素を持つことは目的や目標ではなく、日常の学校生活や、家族とのふれあい、友達とのかかわり、部活などを通じて自然に醸成されていくものだと考えます。
 私の小学生時代「道徳教育」が始まり現在も行われていますが、教育要素的には主に心のあり方を描いた教材(読本)に沿って進められていました。当時道徳教育の推進校だった(らしい? )わが小学校で行ったこと、それはクラスの中で1人司会者(議題進行役)を決め、一定のテーマについて皆で意見や、感想を発表し合うこと、発言したい人はその都度手を挙げ、司会者が指名し、発言者は立ってしゃべる、いろいろな意見や感想が出たところで司会者はそれまでに出た皆の発言をまとめて会は終了。
 今にしてみると、テーマにしたその時の「議題」よりも、自分の意見を、手を挙げて指名を受けたうえで立って話すこと、自分が意見を言うためには人の発言をよく聞いていることが必要不可欠であること、又周り順番で担う「司会進行役」の立場は、重要で皆から出てきたいろいろな発言内容をまとめる役目、時によってはまとめられないほど様々な意見に分かれるときもあり、その場合は出た種々の意見を改めて列挙、解説して終わらせるなど、現在国語の教科書の学習項目となっている、「ディベート」の姿と共通していると思います。
 普段塾においても、勿論学校においても算数(数学)、国語、社会、理科、そして今は英語も加わり 教科として学ぶ知識や理解力を中心とする学びの中で、「リーダーシップ」の養成、醸造は上述のように、皆の前できちんと意見が言える、そのためには人の意見(話)を理解して聞くことができる、又司会者となり多数の意見をまとめたりすることができる、これらを日常行っていることが実は「リーダーシップ」を持った人間像を培っていくことになる、ということを改めて感じるところです。
記:事務局 福島喜久