子育て・受験にまつわるよもやま話―No.9「スキンシップ」・「アタッチメント」を通じて、親の「見守り」
幼児期の子育て時、発達心理学の観点から言われるのが「スキンシップ」(肌と肌との触れ合い)や「アタッチメント」(愛着)ということ。
子どもは、親に体ごと寄り添い、まとわりついてくる。それでも親は喜んで全身で抱き上げ頬ずりなどする、何といっても愛しい我が子。
それまで親(特に母親)なしには夜も日も明けなかった子どもがいつの間にか、一人遊びを始めたり子ども同士仲間をつくったりなどの行動を始める。これは勿論成長の証し。
ところで、このように自然に親から離れて遊ぶようになる子どもはそれまでの十分な「アタッチメント」や「スキンシップ」を受けている環境にあり、自立の行動も自然な成り行き。
もしいつまでたっても自立(いわゆる親離れ)ができない場合は、親の愛情不足といったことよりはもっとシンプルに「触れ合い」の長さや自分を見守っていてくれる身近な親の目などへの渇望のサイン。
もう「幼児ではない」とか「小学生でしょ」「中学生にもなって」といった気持ちを捨てて、子どもが望むのであればいつでも全身で受け止めてあげること、口で指示するだけではなくて、子どもの話に耳を傾けること(良い聞き手になること)が自立を促す一番の早道。
親の「寄り添う心」は幼児期、小学生、中学生時代のみならずそのあとの十代、二十代......?
「えっ、いつまで?」、
子どもが独立して家庭を築き子どもができて、それでもこの親子関係は変わらない、「見守り」は一生のもの。
もっとも、時代を経るうちには親が「見守られる」立場になるかも知れませんが。
記:事務局 福島喜久