北海道内外の受験生が札幌で浪人するメリットとは 第1回【全8回】

地元トップ校出身でも失敗する浪人の現実
「上位校出身なら、札幌で浪人しても伸びるはず」
これは、保護者や生徒が抱きがちな期待です。
しかし、現場で浪人生を見続けてきた立場から言えば、この考えは半分正しく、半分は危険な幻想です。
実際、難関校・進学校出身でありながら、札幌で、ほとんど成績が伸びない、あるいは途中で失速する浪人生は決して少なくありません。
たとえば、ある年度に在籍していた上位校出身の浪人生2名。4月時点の共通テスト型模試では、それぞれ450点前後を取っており、決して低いスタートではありませんでした。しかし9月、11月と進むにつれて伸びは鈍化し、模試を欠席するようになり、最終的には第一志望には届きませんでした。
彼らに共通していたのは、学力不足ではありません。
問題は、もっと手前にありました。

成否を分けるのは「学力」ではない
浪人生の成績が伸びるかどうかは、「どの高校を出たか」「現役時代にどれくらい勉強していたか」ではほぼ決まりません。
決定的なのは、浪人生活に入ってから、学習習慣と生活リズムを維持できているかです。
札幌にきた浪人生の多くは、環境が一気に変わります。
• 通学
• 生活
• 人間関係
• 時間の使い方
これらをすべて自分で管理しなければならなくなる。
この変化に適応できないと、どんなに地頭が良くても、成績は伸びません。
むしろ怖いのは、「少しずつ崩れる」ことです。
朝起きるのが遅くなる。
遅刻が増える。
授業に出ない日が出てくる。
模試を受けない。
この段階に入ると、浪人生活は一気に立て直しが難しくなります。

札幌に出たこと自体が、失敗の原因ではない
ここで強調しておきたいのは、札幌という場所が悪いわけではないという点です。
失敗の原因は「札幌に来たこと」ではなく、
札幌での生活が管理されていないことにあります。
実際、同じ年度でも、地方から来た浪人生の中で、安定して成績を伸ばしていく生徒も確実に存在します。
その差は、才能でも努力量でもありません。
• 毎日同じ時間に登校しているか
• 授業と自習が生活の中心になっているか
• 困ったときに相談できる大人がいるか
こうした「当たり前のことを当たり前に続けられる環境」に身を置けているかどうか。
この一点が、結果を大きく分けます。

「札幌にくれば何とかなる」は最も危険
保護者が最も警戒すべきなのは、
「とりあえず札幌で受験勉強させれば、あとは本人が何とかするだろう」という考え方です。
浪人は、自立の訓練期間ではありません。
結果が出なければ、その1年は取り返しがつかない時間になります。
他地域から札幌へ出すという選択は、
「場所を変える」ことではなく、
「生活と学習をどう設計するか」を決めることです。