2021年3月4日実施の公立高校入試を振り返って 2回目
2回目の今回は、今年度の数学の入試問題について。
新型コロナウイルス感染症対策により、学校の臨時休校が長期化したため、出題範囲が縮小。数学は「相似」、「円周角」、「三平方の定理」、「標本座標」が除外。除外になったのが中3後半の内容の為、図形の問題は中2までの知識で解ける問題。
そのせいもあり例年に比べると、全体の難易度は下がり、ここ数年の中では極めて標準的な問題であった。
しかし中には裁量問題のように、初見では苦戦する問題もあった。図形単元からの出題が非常に多く、裁量問題で60点満点中44点(総得点の73%以上)を占めた。図形の得手不得手で得点が大きく変わるため、日頃から平面図形、空間図形のいろいろなタイプの問題に取り組み、ある種の「慣れ」も必要である。
全体として、単純な計算問題は少なく、ほとんどが文章を読み取り、文意から必要な数学的知識を活用していくというもの。これは昨年度と変わりがない。
日頃から文章問題に取り組み、内容や条件を理解し、それを踏まえ問題を解くことが必要。裁量問題に限らず、解法の発想がなかなか思いつかない問題、解くまでにかなりの時間を要する「難問」は存在する。
一方で容易に解ける問題も当然出題されるので、試験時間内で最大得点を取るために、出来る問題を確実に正解していくことが重要。その際、簡単な問題での失点は致命的である。日頃から計算ミスをはじめケアレスミスには十分注意する。
まんべんなく様々な分野から出題されるので、中1~3までの全範囲をしっかり学習することが重要である。融合問題など難度の高い問題の対策として、基礎固めを終えた後、全国の入試問題に触れ、正確に図やグラフを実際に書くことで解法の糸口を探す訓練が不可欠となる。
記:英語科 原貴弘