2021年3月4日実施の公立高校入試を振り返って 1回目

今回から5回にわたり、先日3/4(木)に実施された令和3年度の公立高校入試問題を昨年度の入試問題と比較してみたいと思います。

ご存じの通り、来年度の入試から「学校裁量問題」が廃止され、全高校共通の問題が出題されます。それに伴い問題の難易度、傾向も変わることが予想されるため、今年度の入試問題の傾向がそのまま来年度に当てはまらない面もあります。しかし、近年の教育界のトレンドである「思考力・判断力・表現力」を試す入試になることは間違いなく、そのような問題は、ここ数年の入試問題にも多く出題されているため、今回の入試問題を研究することは意味があると考えます。

1回目の今回は英語について。

全体的に昨年度と大きな変化は見られませんでした。ただ、最後の自由英作文問題では、手紙の英文を読んで、その中の質問に答えるという問題でした。手紙の差出人(=出題者)が要求していることを汲み取り、それを英語で表現することが要求されました。昨年度は問題が要求することが日本語で書かれていたため、それと比べると難度は上がっています。

他にも(これは昨年も同様でしたが)全体的に英語を書かせる問題が多く、英語による表現力を見ようとしている意図がうかがえます。文法の知識だけを問う問題はかなり減っていて、文法知識を基礎として、どれだけ英語で表現できるかが問われています。単語力も言うまでもなく重要です。単に「読んで意味が分かる」だけでなく、自分で英語を組み立てる際に即座に出てくるレベルまで単語力を高める必要があります。

昨年度と比べると大きな変化はないものの、数年前と比べると、英語での表現力を問う問題が増え、文法の知識を問う問題が少なくなっています。来年度から始まる新入試問題でも、この傾向は続くはずですので、文法、単語等の基本をいち早く完成させ、その上で、英語での発信力を鍛える訓練や長文読解に時間を割くようにする必要があります。
記:英語科 原貴弘