「呟き」②

「高校生の文理の選択は、景気に左右されやすい」というのは周知の事実のようです。即ち、景気がいいときには文高理低(文系人気、理系不人気)、景気が悪いときには文低理高(文系不人気、理系人気)になる傾向にある、というのです。理系の方が就職に有利だと考えられるからなのでしょうか。

そんな中で、コロナ禍で景気が悪くなってきたからなのか、医療現場の映像が頻繁に目に入るようになったせいなのか、近年、志望者を逓減させていた医学部志望者が、昨夏の模試以降、増加傾向が見受けられるようになってきました。

コロナ禍で模試全体の受験者数が減少する中で、昨夏の模試以降、医学部、薬学部、獣医学部など資格を取れる理系の学部が人気なのです。リーマンショックのあと、これらの学部の人気が高まったときの状況と似ています。そして、その傾向は今般の共通テストにも表れていました。

ところが、医学部に関しては、共通テストを終えて いざ出願になったとき、実際に医学部に出願した受験生がそこまで増えなかったのも事実です。共通テストの平均点が予想より下がらなかったせいなのか…、6年ぶりとなる得点調整が影響したのか…、これから検討しなければなりません。

さらに、文系においても今後は国家資格・公務員試験等に有利に働く法学部の人気が復活しそうな雰囲気が感じられます。いずれにしても、これからしばらくの間は、かつての「資格と就職」に志向が流れる時期に再び突入しそうな印象があります。
記:情報室長 高縁博