「呟き」④(大学在校生〈大学 新4・3・2年生〉について)

学生生活が大変そうです。昨年秋に発表された大学生協連の学生生活実態調査の結果によれば、下宿生のアルバイト月収(平均)が前年より2割以上減った一方、食費などの支出は切り詰めていました。コロナ禍による苦境が浮かび上がった感じです。

バイト月収の平均は、下宿生で2万6360円と7240円減っています。自宅生も3万7680円で3550円落ち込んでいます。当然のように、仕送りを含む総収入も減っているのです。特に、下宿生の収入合計は12万2,250円で前年から7,610円減少し、1970年以降で前年からの減少額がもっとも大きくなったようです。

費目別には「仕送り」が7万410円で前年から2,400円減少し、収入構成比は57.6%となっています。仕送り「0」の下宿生は全体の8.6%となり、2016年以降4年ぶりに8%を超えました。一方、支出では月平均の食費が自宅生で1万670円と前年比23%減。下宿生は2万4570円と9年ぶりに減っています。勿論、教養娯楽費もかなりの縮小です。

半年間(4~9月)のアルバイト就労率は72.4%と前年から11.5ポイント減少。学年別では1年生の減少が大きく、1年生59.1%(前年比19.1ポイント減)、2年生79.5%(同8.8ポイント減)、3年生80.0%(同7.7ポイント減)。社会的生活行動制限の影響を大きく受けた1年生の「新規にアルバイト先を探したが見つからなかった」(6.2%)は、2~4年生より4ポイント前後多かったのです。

学生生活が「充実している」と「まあ充実している」は74.2%と前年から14.6ポイント減少し、2005年から80%以上が続いていたのですが、今回は大きく下回わりました。特に1年生では56.5%と、この設問を設けた1983年以降最低値となったのです。「大学が好き」と「まあ好き」と答えた学生も、突出して下がっています。また、学生生活が「充実していない」と「あまりしていない」と感じていて、「友だちができない」と気にかけている1年生は52.2%と過半数になり、2~4年生よりも格別高い結果となりました。

この調査結果を総合すると、1年生(新2年生)の生活苦と不満がかなり厳しいものになっており、昨年の春に入学した学生たちの大学生活は惨憺たるものであったことが分かります。

この学年の学生たちは、「新制度の入試に替わる」と急かされて、なりふり構わず大学入試を駆け抜けた学年でした。しかも、この学年の学生たちは他の学年との比較において、同じ学費を支払いながら、ひょっとしたらこの先もリモートの授業が続き、場合によっては丸々2年間(それ以上?) 対面の授業を受けられず、友人も作れず、就活の4年生を迎えることになりかねません。

義務教育や高校や予備校や専門学校が かなり無理をしつつもコロナ対策に留意しつつ果敢に対面の授業を実施することに取り組んできている事実と比べて、大学はやや臆病にすぎないかと問いかけたくもなります。
記:情報室長 高縁博