2021年3月4日実施の公立高校入試を振り返って 4回目

今回は理科についてです。

問題構成は昨年と同様、大問5つで構成されている。大問1が小問集合、大問2~5が文章題で、実験や観察に基づいた情報を読み取ることが要求されている。大問1で広範囲な知識が問われ、大問2~5で思考力が問われている。結果、全範囲に及ぶ知識を確実にすると共に、文章読解力、洞察力も強化する必要がある。

大問1は他の問題と比較し、単純な知識問題が多く、計算問題も容易なため、ここで確実に得点したい。

大問2は生物分野の消化・吸収からの出題。パイナップルに含まれる消化酵素がデンプンとタンパク質にどう作用するかを実験結果から読み取る問題。パイナップルの消化酵素について知らなくても、実験結果からデンプン、タンパク質に作用する酵素が何かを読み取ることが出来れば、後は消化・吸収の知識があれば解ける問題である。

大問3は化学分野から酸とアルカリの中和からの出題。中和の実験を通して酸、アルカリ、中和についての知識が問われた。中和に至るまでと、中和後の沈殿物の質量をグラフで表すとどうなるかをイメージできるかも問われた。

大問4は物理分野から力と圧力に関する出題。スプレー缶中の空気の密度を計算する問題や、大気圧の知識問題も出題された。大気圧と絡めた天井に貼りつくゴム板にはたらく力についての問題は難しい。それぞれの力がどの向きに働くかを図示しながら解く必要がある。

大問5は地学分野から地震についての出題。知識問題に始まり、S波の速度や地震の発生時刻を求める計算問題は定番である。複雑な操作が必要だが出来るように訓練が必要である。緊急地震速報についての問題も今では多くの公立高校入試問題で出題されている。これも合わせて練習しておきたい。

最後に、大問2~5は文章題で、単純に文章を読み理解するだけで多くの時間がとられる。日頃から文章を読み、理解するという訓練が今後ますます重要になる。

記:英語科 原貴弘