英文を速読するために必要な考え方と技術(1) 4/4
4 アルペンスキー競技の旗
さらには、設問に対する答えを選択するという観点からすると、ある部分だけの解像度を高めればよいことになります。それはアルペンスキーに例えると分かりやすいと思います。スキーヤーであるあなたは、スタートからゴールまでを最短時間で駆け抜けたいのですが、途中にある旗を通らなければならないため、最低限の減速を余儀なくさせられます。その旗の部分が設問部分になります。逆に言えば、それ以外の部分はブレーキをかけずに最速で滑走することになります。そのため、スキーヤーのあなたは、早く滑る技術と共に急速にブレーキをかけながらゆっくりと滑る技術も身に付けなければなりません。 つまり、受験英語における速読とは、ただ速く英文に目を走らせてなんとなく大意をつかむだけでなく、必要な部分では速度を落とし、ゆっくりと確実に内容をつかむ技術を含むものなのです。このような考え方に基づいて、速く読む練習と深く読む練習をバランスよく行うことが必要不可欠です。そして当然、最終的にはその二つの技術を組み合わせて、最速で問題を解く練習をすることになりますが、どこでブレーキを踏むかという技術が、実は何よりも大切で重要なのですが、この点については次回、詳しく述べたいと思います。
記:英語科 武田秀久