リスニングの練習方法①

1 ディクテーション
まずはきちんと聞こえているか、また、聞こえない部分を類推できているのか、の確認作業をします。
スクリプトを見ずに、何度も繰り返し聞いて、聞こえた単語をノートに書き取ります。もうこれ以上書けなくなったら、赤ペンで聞き取れなかった文字、聞き取りを間違った文字を書き入れます。
スペルミスについては減点しなくて構いません。全部の文字数が63で書き取れた文字数が53だとすると、得点は53/63=84%となり、84点となります。
これが最初にすべき作業です。

この数値を上げるためには、チャンクとしての音声を頭の中に入れる必要があります。例えばHow can I help you?という表現は、まるで一単語のように発音されます。なので、それぞれの単語を知っていても、音が連続しているため、聞き取れないし、意味が取れないという現象が生じます。

また短縮形にも難しさがあります。
例えばYou’d be surprisedはYou would be surprisedであってYou had be surprisedにはなりません。その場合はYou had been surprisedとなるはずだからです。
’dがwouldだったりhadだったりするので、意味を取る際には瞬時に判断しなければなりません。ちなみに’sの音であれば、is, was, has, Kevin’sなどの所有格といった具合に、さらに選択肢が多くなります。

加えて、完全に脱落する音すらあります。それらの音は、英語の文法が母語として頭の中に組み込まれているネイティブスピーカーにとっては、不要な音声であり、脱落しても全く困ることがないのです。
例えば、Yesterday I listened to the teacher carefully.という文章の場合、listened toではなくlisten toと現在形のように聞こえるかもしれません。それは文脈上、この場合にはYesterdayという語によって、過去であることが明らかだからです。
次回に続く
記:英語科 武田秀久