2021年3月4日実施の公立高校入試を振り返って 3回目
今回は国語についてです。
今年度も昨年度と大きな違いはなく、裁量問題を中心に記述問題が多く見られた。裁量問題中の記述問題の配点は、30/60点と半分を占めているため、記述問題の対策が重要である。裁量問題である大問3の問4(記述)は、時数が105字程度と過去最高だった。日頃から記述問題に取り組み、答案に含むべき内容について「なぜそれを含む必要があるのか」を考えながら答案を作るよう心掛ける。
記述問題に抵抗がある人は、初めのうちは完璧を目指さず、1つでも含むべき要素が書けただけでも良しとする(それで部分点は入る)。日々継続していくうちに記述力がついてくる。最初から完璧を目指すと心理的に負担になり、継続できなくなる。
大問1の文章は平たんで、日常生活の中でも経験する内容で、イメージもしやすい。設問の条件をしっかり読み取り、記述をすれば得点になる。
大問4の古文では、ある動作の主語を問う問題が出題された。古文では主語が省略されることがあるため、文脈も追いながら、誰が行ったことなのかを考えながら読むようにするといい。
今年度に限らず、例年裁量問題は記述問題が中心。80字越えの記述もあり、解答に苦戦するものもある。その中で大問1の記述は取り組みやすい。ここで失点することなく確実に得点したいところ。大問2の小説は論説文の大問3に比べると文章の内容、設問共に取り組みやすいことが多い。大問3の記述問題では、解答になる該当箇所を特定し、不要な部分を削除し、外せない部分を残し、まとめることが重要。試験時間は限られているので、時間がかかりそうであれば、先に他の問題を解くという判断も必要。大問4の古文は、中学生であればまだ本格的に古文の文法を学習していないので、内容を正確に理解することは難しい。その際、本文の背景の説明が書かれている冒頭部や、注に目を通し、内容理解のために利用することも重要。このようなことに注意して次年度新入試に向けて早めの対応をしてほしいと思う。
記:英語科 原貴弘