国語っていったい何を勉強すればいいですか?

国語っていったい何を勉強すればいいですか?としばしば聞かれます。これは、国語の問題はたいてい、本文に傍線がひいてあって、漢字にしろとか読みをかけとか、意味をかけ、どういうことか、どうしてか、などと聞いてくるわけです。それで、何を勉強すれば、そういうことがわかるのか、何を覚えればわかるようになるのかがわからないということのようです。

こたえは出題者が何を確かめたくて、問いをつくるのか、と考えればわかります。

国語の問題の出題意図は、日本語の文章を読んで、そこに何が書いてあるか理解できるかの確認ということに尽きます。文章全体をなんとなく読んで、受験生があれこれ想像したことではなく、文章に書いてあることの意味を理解せよ、というわけです。そうでなければ、一律に採点することなどできなくなってしまいます。もちろん、意味を理解したうえで、更に自分なりの考えを深めるということには重要な意義があり、ことに大学に進学した後には、それを是非深めてほしいとは思いますが、それは国語の入学試験ではちょっと待ってほしいのです。

さて、本文の意味といった時に、三種類の意味があります。ひとつは、ひとつひとつの言葉の意味です。これはかなり基礎知識に属する、辞書に出てくる意味です。「文中における意味」と書いてあっても、辞書にあるような意味のうちで、という前提になっています。ただ、意味がいくつもある言葉もあるので、どの意味で使っているのかを文章から判断することが必要になります。漢字の問題で同音異義語の問題が多いのはこの理由です。これを確かめるのが、漢字や読み、言葉の意味を問う問題です。

二つめは形式段落ごとの部分の意味です。各部分がどういうことを言っているのかが理解できなければ、全体のなかでのテーマなのか、根拠なのか、例示なのかはわかりません。この部分の意味を問うのが、傍線をひいてどういうことか、どうしてかを問う問題のうちで、傍線の前後三行以内に解答のある問題です。

三つめは全文の主旨を問う問題で、これも傍線をひいて、どういうことか、どうしてかと問います。または、全文の構成がどうなっているか、と問います。これは、形式段落ごとに意味を理解した上で、そのつながりを構成して、全文での主題と結論をつくるという作業になります。

この二つめ、三つめができるためには、普段から文章を読む際に段落ごとにナニがどうなのか、を明らかにし、最終的にどういうことをいっているのかを簡単にまとめる、という作業に慣れる必要があります。慣れてしまえば、かなり機械的な作業なので割合に楽にできますが、それにはトレーニングが必要です。

結局のところ、1言葉を正確に覚える。2形式段落ごとに意味をまとめる。3全文の主旨を簡単に言う。というトレーニングを積んでいくことになります。
記:国語科主任 佐谷健児