記述問題で何を書いたらいいかがわからない
記号問題なら選べるし、記述でも「漢字にせよ」とか、「意味を書け」とか、「現代語訳せよ」、ということならわかるのだけれど、「60字で理由を説明せよ。」とか、「どういうことか、75字以内で説明せよ。」といわれると何をどう書いていいかわからなくなる。「これだ」と思って書き始めるけれども、字数が余ってしまう。書いているうちに何を書いているのだかわからなくなってしまい、結局わけのわからない文章になってしまう。こういう経験はないでしょうか。
こんなときは、国語の問題というのは要するに読解問題で、本文に書いてあることがわかるかどうかが試されているのであって、あなたがどう思うのか、どう考えるのかを聞かれているのではない、という出発点にもどることが重要です。「理由」というのは、それが本文に書いてあるから、それを指摘せよ、といわれているわけだし、「どういうことか」というのは、それが本文に説明してあるから、それを指摘せよといわれています。ただし、理由は一つだけとは限らないし、説明は一箇所だけにまとめてかかれてあるとはかぎらないので、それを集めて、正しく繋ぐ必要があります。
また、採点する側を想定すれば、60字とか、100字とかいう出題は、部分点を出す予定になっているポイントがいくつかある、ということを示しています。もし、一箇所だけみつけて、ひとつの内容だけで書き始めると、解答欄が余って、あとからあれこれつけたすハメになります。こうなると何をいいたいかわからない文章ができあがります。
結局するべき練習は、
1,本文から解答に必要な項目を列挙する。その際、仮に出題20~30文字ごとに一つ項目があるものと仮定して複数準備する。
2,項目どうしの関係を、単なる並列なのか、原因ー結果なのか、条件ー帰結なのか、考えて配置する。
3,配置に従って、仮の答を作成する。
4,仮の答の冗長な部分を削って答案を作成する。
という手順になります。 うまくいかないときは、それが、1の列挙に失敗しているのか、2の配置なのか、4の絞り込みなのかを確認して、そこを練習することになります。 ただし、1がダメなら、2は不可能だし、3ができなければ、4はとりかかることができません。だから、最初の1で項目を本文から見つける作業が最も重要で、これには段落ごとの本文読解の練習が必要になります。また、3の仮の答の作成を怠って、いきなり解答欄に答案を書き始めると4の削り込みの作業が難しくなり、何度も一から書き直すハメにおちいって、テスト時間を浪費してしまうので注意が必要です。
記:国語科主任 佐谷健児