「絶対大丈夫」から一年
唐突ですが、ヤクルトスワローズが連覇を達成、CSも三連勝で勝ち上がり日本シリーズ進出です。一方パシフィックリーグではオリックスバファローズが優勝、CSを有利にすすめています。どちらも、二年前は連年の最下位で、いかにも戦力不足に見えたチームでした。それが高校を出て数年の若い選手がたちまちのうちに成長して、強豪チームになってしまいました。若い人の成長する力には全く驚かされるばかりです。
スワローズはというと、最後の最後でやっと首位にたった昨年とは違い、今年は5,6月と勝って、史上最速でマジックが出たかと思ったら、コロナ感染で一軍選手のほとんどと監督までが試合に出ることが出来なくなって、連敗を重ね、やっと選手が戻ってきても調子があがらず、マジックは消え、8月末には二位DeNAベイスターズにすぐそこまで追い上げられてしまいました。
そういう苦しい中をなんとか、勝ち残ったのは、やはり去年や今年に急速に成長した若い選手たちの力です。これを見るに昨年の名言の『絶対大丈夫』が想起されます。
闇雲に不安をまぎらわすわけではなく、「勝負は時の運だから、勝つか負けるかはわからない。でも、ここまでやってきた自分自身を振り返り、足元をみつめて、共に戦ってきた仲間を信じて、コーチを信じ、チームが一枚岩であるかぎり、自分たちは決して崩れることはない。だから絶対大丈夫だ。」ということでした。
結局日々やるべきことをきっちりやっておくこと。チームを信じること。不安があったら、監督、コーチを頼ること。こういうことが、大切なところで崩れないために必要なのだとしみじみしまいた。
おそらく、これは受験生にも似たことがいえそうです。読解の方法や文法事項がうろ覚えだと、読んでいる途中で不安になってしまいます。不安のせいで、本文が何を書いてあるのかわからなくなってしまいます。やっと解答をつくっても、ようやく選択肢を選んでも、やっぱり不安になってしまいます。そうして、不安になって解答を変え、選択肢を変えてみると今度は元のほうが良さそうに見えてきます。普段の練習を十分にすること、自分の使う方法の正しさを信じることによって、自信をもって解答をつくる必要があります。というわけで、私たちも「絶対大丈夫」に学ぶことがありそうです。
記:国語科主任 佐谷健児