二次試験や私大一般試験の字数制限のある問題

 二次試験や私大一般試験30文字以内とか70文字以内といわれた場合、文末の「。」まで含めてその字数で書くことになります。書き切れなくて一文字でもオーバーしたらアウトです。逆に「以内」とあるからといって、70文字に対して15文字くらいで答えるとほとんど点数になりません。とりあえず、コレくらいかなあ、と思いつつ解答欄に書きながら考えて、一番重要なことを最後のほうに書こうとするとマス目がたりなくなってしまい、大切なところが不十分な書き方になってしまい、点数がとれなくなってしまいます。逆に本題から書こうとすると短すぎる解答になってしまって、しかたがないので後にアレコレ書き足すと、全体として何がいいたいのかわからない文ができあがります。やっぱり点数のとれない答案になってしまいます。本文は理解できているし、答はだいたいみえているのに、過去問集の模範解答とよく似たことを書いているつもりなのにどうにも点数がとれない。
 こんなときはあわてて解答欄のマス目に答案を書いてはダメです。まず、文字数から採点基準となるポイントの数を想定します。記述式の答案では、採点する側は満点か零点かで採点することはないので、ナニが書けていれば何点というふうな採点基準を設定して部分点を出しているハズです。このポイントは文字数が多ければたくさんあり、少なければ、わずかなはずです。そこで一旦、20~30字につきポイント一つと仮定して、書かなければならないポイントを探します。とりあえず、書くべきことを箇条書きにして、優先度をつけます。必ず書くべき結論部分、その条件となる部分、根拠となる部分、補足的な部分と優先度を割り振ります。
 つぎに、紙面の余白、草稿用紙などに書いてみます。できれば結論から書きたいところですが、日本語の都合で後ろに回ってしまうこともあるはずです。これで第一稿をつくったら、文字数を確認します。全部のポイントをいれるとたいていは文字数オーバーします。冗長な部分、優先度の低い部分を削ります。もし字数が余るようなら、ポイントが不足しているので、本文から探し直します。
 これで必要な情報をいれて、文字数を指定字数に削り込んでから解答用紙に清書するという手順になります。ただし、100字を越える指定のときにこの方法を毎回使うと今度は試験時間が不足してくるのでそこには別の工夫が必要になります。こちらはまたの機会に紹介したいと思います。
記:国語科主任 佐谷健児