成績が伸びない②

前回「成績が伸びない①」に続き、成績が伸びない理由について考えてみます。

(3)暗記はするが、内容を理解していない
前回までは、「毎日の勉強の進め方」に着目しました。今回は「学習時の頭の働かせ方」に焦点を当てます。「先生から言われた通りに復習をしているけど伸びない」という人は、問題に対してどう取り組んでいるか思い返してみましょう。当然ではありますが、何度も復習している問題を「正解」にできても、なぜその答えになるのか理由が分からなければ、模試に類題が出ても正解することができません。正解に至る過程を理解していないからです。

例えば…
①英文法の穴埋め問題で、空所(   )の周辺だけ見て、文章全体の意味がどうなるかを考えない→実力が上がっていく人は、「全体で○○という意味になりそうだから、そういう意味にするには、直前の□□を考えると、(   )の中は△△という形になるな」と考える。
②数学の問題で、解答解説を見て、理由も分からずに模範解答を暗記する→実力が上がっていく人は、「模範解答で自分が思いも付かなかった公式が突然出てきたり、式変形をしているけど、なぜそういうことをしているのか?考えてみたけど理由が分からないから、先生に質問してみよう」と考える。

勉強をする際、「どうしてその答えになるのか理解する」ことが大切です。この過程をたどった上で適切な復習を続けていけば、おのずと実力は上がっていきます。反対に理由も分からず、解答だけ覚えるやり方を続けていては、いつまでも力がつきません。

思考し、理解・納得しながら勉強を進めていくと、最初は時間がかかり、頭に負荷がかかるため、苦痛に感じることもあります。しかし、そうして習得した内容は単なる丸暗記とは違い、忘れにくく、他にも応用が利き、仮に忘れてしまったとしても復元することが可能です。そしてそのような努力を行っている人は、次第に処理スピードが速くなり、難しい問題に直面しても集中力が途切れず、粘り強く問題に取り組むことが出来ます。また、簡単な問題ではいろいろなところに気を回せる余裕ができるため、ミスをしにくくなります。

同じ努力をするなら、成果が出る方がいいに決まっています。努力をしても成果が出ないなんて、そんな努力はしたくないですよね?結果として成績が伸びる努力を心掛けて日々勉強に励みましょう。
記:英語科 原貴弘