模試の消化の仕方①
1 着色による分からなかった部分の可視化
(1) 赤ペン
構文を取り違えたために意味が正確に取れなかった部分には、赤ペンで下線を引きます。例えば、He went solo as he was frustrated with the pianist.という文を「彼はいらいらしたのでそのピアニストと一緒にソロになった。」と訳したならば、それは構文の取り違えによって起こった誤訳です。「彼はそのピアニストにイライラしたのでソロになった。」という正しい訳と比べると、with以下の副詞句が修飾している場所を取り違えています。このように、分からない単語・熟語がないにも関わらず、誤読した部分に赤ペンを引くことになります。
(2) 青ペン
後でゆっくり読めば意味は取れるのに、実際に初見で問題文を見たときに、「なぜか」誤訳してしまった部分には青ペンで下線を引きます。
その「なぜか」の部分には、代名詞を戻さなかった、時制を見逃した、分詞構文の意味上の主語を入れ忘れた等、様々な原因があります。また、名詞の不明語句に「もの・こと・ひと」、形容詞の不明語句に「いい感じ・悪い感じ」を入れずに曖昧にした結果、意味不明になってしまう場合もあります。
速読においては青ペンこそが肝要な部分なのですが、その前に確実に赤ペンと黄色蛍光ペンを塗り、全部の着色が終わってから、最後に大和言葉練習や5秒要約をします。この際に、「なぜか」上手く訳ができない部分を見つけ出し、青ペンで下線を引くことになります。
(3) 黄色蛍光ペン
知らない単語や熟語を黄色蛍光ペンで塗ります。その部分は赤ペンや青ペンと重複しているものも出てきます。単語が分からなくても、瞬時に「もの・こと」等を入れることによって、文全体の意味が分かったとしても、単体でその単語が分からなければ、やはり黄色蛍光ペンで塗って覚えなければなりません。次回は、うまく類推できる形で出現してくれるとは限らないからです。
(4) 橙ペン
リスニングの時に、音が「聞こえなかった」「別の単語に聞こえた」部分のスクリプトに橙色の下線を引きます。その部分の音声を繰り返し聞き、シャドーイングをして、完璧に話者の発音とイントネーションとタイミングになるまで、繰り返し練習します。
注意して欲しいのは、リスニングのスクリプトには、赤ペン・青ペン・黄色蛍光ペンの下線も引かなければなりません。読んで分からないものは、聞いて分かるはずがないからです。その部分の処理の仕方は、リーディングと同じです。
(5) 緑ペン
初見で問題を解いたときに、すべきだった書き込みを緑ペンで書きます。例えばBenという単語を〇で囲んで、次の行のthe guitaristと結ぶとか、余白に、仏・4.5上 英・5.3下 日・2.6下 等の表を書き込むなどの作業です。これらを「たらればの書き込み」と呼んでいます。
加えて、「数字は必ずアラビア数字で書き換える!」などの教訓を書き入れます。この場合には、緑ペンで文字を書いた後に、緑ペンで枠囲みをします。これが「解法上の反省点」となります。
特に共通テストでは、情報処理の力が必要となります。このような書き込みによって、必要な情報を得るための下準備を行い、また、読んだ内容をパラグラフ毎にまとめる練習をしないと、英語の力を得点化できません。
次回に続く。。。
記:英語科 武田秀久