ラストスパートで伸びる理・社の勉強法(化学について参考意見)
純粋に覚えなければならない量を半分以下にできるー 化学学習法―
理解しながら習得する
高校化学の3大分野のうち、無機化学・有機化学分野は、種々の化合物の性質や製法を学んでゆく分野であり、一般に暗記分野と言われています。世間ではこれらを「反応式などをひたすら暗記してゆく無味乾燥な暗記分野」とする誤解がはびこっています。確かに教わる知識の絶対数は多いのですが、それらの事項のうち多くの部分が、理論化学で学んだ原理に基づいて考えることで、その必然性が納得できるようになっているのです。
種々の反応式を学ぶ際には、毎回「この反応はどう考えれば自然な反応と理解できるか」という視点を持ち、知識を「理解しながら習得する」ように努めましょう。そのような理解をすることで、純粋に覚えなければならない事柄の量は、世間一般で思われている量と比べて半分以下に減らすことができるはずです。
例えば、無機化学においては、各反応における加熱の必要性の有無というのが重要な学習事項となります。それを1つ1つ暗記しているとらちが明きません。各反応の推進原理を理解していれば、加熱の必要性の有無は「いちいち覚えなくても意味を考えればわかること」となります。
反応式の字面を暗記するのではなく、その推進原理までさかのぼって理解することは、遠回りのように見えて実は最も効率的なのです。
守川 春雲 :「鉄緑会」物理科主任/寺田 侑祐 :「鉄緑会」化学科主任東洋経済オンライン抜粋