【共通テスト】今年は難しかった化学。来年は?

共通テストまであと2か月となりました。受験生の皆さんにとっては、共通テストに向けての準備を本格化していることと思います。
 そこで,気になるのは来年の共通テストの難易度ではないでしょうか。巷の予想では,難化するだろうというのが大半を占めているようです。数学については,ほぼ間違いなく難化するでしょう。というよりも,難化しなかったら,共通テストにした意味が無いのではと言いたくなります。
 注目すべきは,理科の難易度です。今年は,生物が易しく(平均点72点),化学が難しかった(得点調整前の平均点が51点)ので,得点調整が行われました。
この結果をふまえると,来年の試験では,生物は難化し,化学は易化するだろうというのが自然な発想です。私は生物の担当ではないですが,生物についてはさすがに難化するでしょう。しかし,化学はそれほど易化しないのではないかと思っています。なぜなら,化学の問題作成者が「意欲的すぎる」からです。
共通テストの数か月後に,問題の評価や分析についての報告書が公表されます。そこで,化学の問題については学会などから,「この問題はちょっとやりすぎだろ」というものがいくつか指摘されます。これに対して,問題作成者は「いや,我々の問題は適切だ」と返すのがほとんどで,聞く耳を持ちません。つまり,化学の問題作成者は手加減する気がさらさらないのです。これでは,来年の化学(さらには,文系の化学基礎も)の平均点が上がるという期待はできそうにもありません。仮に平均点が上がったとしても,9割以上の点を取るには,相当な力が必要になるでしょう。
ちなみに,物理は標準的な難易度でした。物理は,少しでも問題を難しくすると,平均点が一気に下がってしまうので,問題作成者は平均点が下がらないように気を使っているものと思われます。ですから,来年も同程度のレベルで出題されると予想します。
記:数学・理科担当 新保幸希