なんのために勉強するの?①

―今、みなさんはどんな夢や目標を持っていますか?

 夢や目標を実現するためにしなければならないこと、それが勉強です―

こう書くと、すでに結論が出てしまったように感じます。同時に多くの“大人たち”なら共感できる理由だと思います。

医者になりたい、宇宙飛行士になりたい、弁護士になりたい…

あらゆる目標を実現するためには、勉強、そして何かしらの「努力」をしなければなりません。現代の社会に生きる我々にとって、「努力」は多くの場合、勉学(知識の吸収や解法の習得、考え方や論理の手立てを学ぶこと)であることがほとんどです。

アイドルになりたい、YouTuberになりたい、ウルトラマンになりたい…

どうしたらなれるのか、何を磨く必要があるのか、自分に不足しているものは何か。やはり探求や研究、自己研鑽を通じて初めてその道が拓けるということにかわりはありません。

 言い方は極端ですが、(いわゆる学校でいう)勉強は“したくなければしなくて良い”ものだと僕は思っています。予備校・塾の講師をしている立場でこんなことを言うのは不謹慎かもしれません。しかし例えば身近な職業でも、和食の板前さんは中卒で親元を離れ、住み込みで修業を開始します。高卒や大卒ではむしろ遅いとされています。身近ではないですが、力士の世界も、多くの方はかなり早い段階でその道へと進んでいきます。また、よく知られた現在の偉人や経営者の中にも、学歴とは無縁のまま立身出世した人たちが大勢います。

 勉強しなくても大物になれます。大物とまでいかずとも、夢や目標をかなえる手段は勉強だけではないことは確かです。夢や目標は人それぞれですが、体験的な修行に専念する場面や臨床や実践こそが求められる場面など、“むしろ机に向かっている場合じゃない”といったこともあるでしょう。

しかし、どのような場面でも忘れずにただ一つ、強く意識してほしいことがあります。

「自分の人生を決めるのは自分である」ということです。

続く
記:小中学部 兵藤晋平