なんのために勉強するの?③

―勉強は、自分の人生を輝かせるための明かりである

「勉強なんかしないで遊んでいたい」

小学生を中心に(笑)多くの人が思っていることではないでしょうか。

勉強は、したくなければしなくて構いません。その代わり遊んで暮らせる、言い換えると“楽しく生きていく”ために、今そして今後、自分は何をしなければならないかを真剣に考えてください。年齢や立場は関係ありません。自分が楽しく、「自分の人生を」生きていくための手段を考える、つまり「自分の人生を自分で決めて“楽しく”進んでいく」ために頭を使い、力を使うことこそがすなわち努力であり、多くの学びや探求なのです。

現代社会において、学生時代の勉強は単なる手段に過ぎないように感じることもあるかもしれません。ただしほとんどの場合、そこで得た知識や“自ら学ぶ姿勢”自体が大きな経験となり、その後の長い人生にも役立ちます。学生時代に学んだことがいざ社会に出て役立った、ということも大人なら誰もが経験しているものです。

同時に、今の社会では学校の勉強に励むことで、その後かなりの幅の職業選択が用意されると言っても過言ではありません。実はこれは、かなり楽なことなのではないでしょうか?

世も世なら、職業において名を成して食うに困らない稼ぎを上げるためには、修行に次ぐ修行で技術を磨き、人と競り合い、才能あるものに追い抜かれ、それでもめげずに苦節何十年でやっと…といった光景が繰り返されてきました。もちろん学校での勉強よりも得意なことに磨きをかけて、楽しく人生を歩んでいる人も大勢います。また、あるタイミングで天職に出会い、勉強と全く関係のないところで生きている人もたくさんいます。しかし、自分の進むべき“明確な道”を探すことが難しい世の中で、ひとまずは目の前の勉学に打ち込む、ということが自分の人生の可能性を広げるのであれば、これは、かなり恵まれている、とも考えることができるのです。

進学さらに希望の職種に至る自分の目標のための勉強に邁進する人、目の前の学業にコツコツ取り組み視野を広げ多くを吸収する人、勉強に頼らず自分の人生を切り拓こうと我が道を突き進む人。どのように決めた自分の人生であっても、いつ何時でも自分を満たし、自分の未来を照らす、つまり「自分の人生を輝かせる」のは“努力”です。これこそつまり、勉強することの意味です。勉強は、そのこと自体が目標になるのではなく、例えばピンチに陥った自分を助けてくれる、いわば糧であり支えであり希望なのです。

長い人生、ひと時も休まず努力し続けることは困難です。時に息を抜き、時に脱線して構いません。道に迷ったら誰かに頼り、また誰かに頼られるのも世の常です。決して無理しすぎないようにしてください。前を向いて明るく笑うこともまた、人生に必要不可欠な要素です。夢や希望、目標は、どんなに小さくとも自分の未来を明るく照らしてくれます。悩み、疲れたときは、自分の希望をもう一度思い出してください。楽しい人生を思い描いてみてください。

 今、ここで、この文章を読んでくれている方は、おそらく長い戦いの中にいることでしょう。勉強に向かう学生であったり、見守りそして支える立場であったり。

誰もが平等で無限の可能性を持っています。そして輝かしい未来が待っています。

―決してあきらめず、努力を続ける―

 これだけは忘れずに、今までも、これからも、力強く自分の人生を歩んでいってほしいと心より願っています。

 すべての挑戦者に幸あれ。

おわり
記:小中学部 兵藤晋平